TCK (Third Cultured Kid)について

皆さんはTCK (Third Cultured Kid)という言葉をご存知ですか?

初めて Third Cultured kid という言葉を聞いた時に、私は三つの文化をを知っている子供のことだと思いました、でも調べてみるとちょっと違いました。

ネットでは、「両親の国の文化を第一文化、生活している国の文化を第二文化とした場合、そのどちらでもないはざまの文化、つまり第三文化の中で人格形成に影響を及ぼす時期や思春期を過ごしている、あるいは過ごした子どもたち」と説明されていました。

Wikipedia には、Third Cultured Kids are people who were raised in a culture other than their parents’ or the culture of their country of nationality, and also live in a different environment during a significant part of their child development years と書いてあります。

Source: Cultureclub

簡単に説明すると、小さい時に自分の国以外の文化で育った子供のことを指す言葉です。「国」でなくて、「文化」という言葉を使っているのは、国から出なくてもTCKになることがあるからです。TCKには「帰国子女」、外国の日本人学校に通っていた子供たちや、日本のインターナショナルスクールに通っている子供たちも含まれます。

日本に住んでいる日本人でも「TCK」?と思うかもしれませんが、インターナショナルスクールに通った場合、学校や家庭で使う言語が英語になったり、学ぶ教育も海外のものだったりとするので、それは、「日本文化」ではない他の「文化」に触れていることになります。

「帰国子女」と「TCK」の違いについては、嘉納ももさんのブログで説明されています。ご興味のある方はこちらをお読みください。

https://www.3anet.co.jp/np/info-detail/132/

日本と台湾のハーフで上海育ちの私も、TCKのカテゴリーに入ります。両親の国以外の国でち、ヨーロッパの大学に通いました。

TCKという言葉を知ったきっかけ

私がTCKという言葉を知ったのは、2020年です。私と同じような環境で育った友人が口にした「Third cultured kid」という言葉に興味を持ち、家に帰って色々調べてみました。

それでたどり着いたのがBBCのこちらのサイトです。

Third Culture Kids: Citizens of everywhere and nowhere

https://www.bbc.com/worklife/article/20161117-third-culture-kids-citizens-of-everywhere-and-nowhere

「TCK: どこにでも属して、どこにも属さない子供」というトピックからグサッときました。

この記事は、「海外駐在員の子供」という目線で書かれています。

記事には、TCKの特徴がいくつか書いてあります

  • They are more flexible and better able to cope with change (より柔軟性があり、変化に対応できる)
  • Most Third Culture Kids made their first move before the age of nine (9歳以前に移動をしている)
  • Home is ‘everywhere and nowhere’ (ホームはどこにでもあって、どこにもない
  • TCKs are more likely to speak more than one language, have a broader world view and be more culturally aware. But she warns life as a TCK can create a sense of rootlessness and restlessness, where home is “everywhere and nowhere.” (複数の言語を話し、幅広い世界観を持ち、文化的な意識が高い傾向にあります。しかし、TCKとしての生活は、家が「どこにでもあって、どこにもない」ような根無し草のような感覚や落ち着きのなさを生み出すことがある)

読んでいる間、グサグサと刺さりまくりました。笑

TCKで有名なのは、アメリカのオバマ前大統領です。ケニア人とアメリカ人のハーフで、ジャカルタ育ちでした。

TCK のアイデンティティ

TCKのアイデンティティについて、もっと知りたいという方は、こちらの動画をお勧めします。

French-Korean in France PART 1ㅣINSIGHTS [PRIMETIME]

フランスで育った韓国人同士が、アジア人としてフランスに住んだ経験を語っています。TCKを理解するにはすごく良い動画だと思います。

ちなみに、外国育ちの韓国人のことを韓国語でGyopo というそうです。

I Am Not Your Asian Stereotype | Canwen Xu | TEDxBoise

小さい頃からアメリカの白人の中で育ったCanwen さんは、自身の子供時代を振り返って「ステレオタイプ」との戦いだったと話しています。(素晴らしいスピーチなので、まだ見たことない方はオススメです)

私の子供時代は逆に、「ステレオタイプを探していた」ように感じます。多分、自分自身で「日本人らしさ」や「台湾人らしさ」とはなんなのかをずっと模索していたんだと思います。

最後に

私は、小さい頃から、自分のアイデンティティーについてたくさん悩んできました。自分は日本人でも、台湾人でもない、かといって、中国人でもないという感覚をずっと持っていました。

なので、初めてTCKという言葉を聞いたときに、初めて自分の小さい頃からの違和感が理解できて、ちょっと嬉しくなりました。

このブログを書いたのも、少しでも多くの人たちにTCKについて知ってほしいからです。

これからもこのトピックについて、ブログを書いてみようと思います。

Published by Mufasa.

日本と台湾のハーフ。日本語、中国語、英語でブログをゆるーく書いてます。

One thought on “TCK (Third Cultured Kid)について

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